株式会社ベネッセホールディングス

​住所:岡山県岡山市北区南方3-7-17

​業種:持株会社・グループ全体の経営方針策定および経営管理等

社員数:連結21,022人

HP:http://www.benesse-hd.co.jp/ja/

第2回取材記事
テレワーク導入で社内の意識改革を図りたい

今年度、働き方改革をより積極的に進めているベネッセホールディングス。使いやすくなった在宅勤務制度『テレワーク@Home』の利用を社内に浸透させようとしている中で感じた課題や、検討中の解決方法などについてうかがいました。

人財部 遠藤博文さん

●好事例をどんどん伝えていきたい

――ここまでのテレワーク導入について社内の反応をお聞かせください。

 

部門間の差があります。たとえば従来から外出が多く日常的に社外で勤務することが多い部門は、テレワークを受け入れやすいです。一方、これまで社員全員が同じ場所に集まり、チームとしてアウトプットを出すことを重視していた部門は、テレワーク導入にはどちらかというと消極的な面も見受けられます。

ほとんどの仕事ではテレワークに適している業務はたとえ数%としてもあるはずです。「この部門ではテレワークの仕事をどう行い、どう効果が出ている」という好事例を、目に見える形で幅広く情報共有することが、マネジメントの不安を払拭する対策だと考えています。

カルチャーを変えていくことは大変ですが、さまざまな事例を知って、「うちの部署でもやれそう」といった気持ちを少しでも持ってもらうことが、今後のテレワーク普及において必要なことではと思っています。

――各部門での仕事のやり方や部門長の考え方が、テレワーク導入に大きく影響しているのですね。

 

一人ひとりの業務分担が明確で、各自がアウトプットを出す形で仕事をしてきた部署は、テレワークを受け入れやすいようです。また、メンバーの大半がワーキングマザーという部署もありますが、ここではテレワークは必然として使われています。在宅勤務で通勤時間をなくすことにより時短をとらずにすみ、時間の制限がある育児中でもアウトプットを出し続けられる環境が得られます。

 

在宅勤務は特別なことではなくて、オフィスの延長上で働く場所の一つとして自宅があるわけです。社外とのやりとりが多く、オフィスにいることが少ないメンバーが多い部署ほど、テレワーク導入のハードルは低いようです。

●テレワーク利用で、出社時の業務への集中力も上がっている

――労務管理については何か課題はありますか?

 

上司と部下との信頼関係があり、テレワーク時も自律して仕事ができていれば、特に在宅勤務だからといって通常と異なることはないと思います。むしろ心配なのは、テレワークでは働きすぎてしまう点です。

実際、私自身も在宅勤務を行って感じましたが、通勤の負担がないため身体的に楽で、終業時間に業務が残っているともう少しやりたくなってしまうのです。終日の在宅勤務では、原則として残業は禁止されているので、終業時間になったら仕事をやめるということがかえって難しく感じました。残業禁止のルールがあるからこそ、働きすぎを防げていると言えます。社員自身の自己管理の徹底と、上司の継続的指導が必要ですね。

――テレワーク導入にともない、業務のやり方を見直したことがありますか?

 

テレワークでできる業務、できない業務はありますので、その切り出しを行いました。私自身は現在、基本的に毎週水曜日は在宅勤務にしていますが、そうするようになって仕事の流れにメリハリがついたことは大きなメリットです。

通常出社日は意識して打ち合わせなどを行ってコミュニケーション不足に陥らないようにします。水曜日の在宅勤務時は、資料作成など集中して取り組む業務を行っています。在宅勤務日を設けることで、その前後の月・火曜日、木・金曜日に業務へ取り組む集中力も上がってきました。

 

――在宅勤務時の働き方について教えてください。また、ご家族はどう受け止めていますか?

 

私は通勤時間が長いので、通常、朝6時前に電車に乗っています。在宅勤務時もその生活リズムは崩さないようにし、朝7時ごろから業務を開始します。すると16時ごろには終業となるため、夕方以降、家族とゆっくり過ごせるようになりました。業務の生産性が上がるだけでなく、ワークライフバランスも向上しています。

そういったことはテレワークをしている他の方も同様に感じていると思います。実際、テレワークをした人から、これまで否定的な声は聞いたことがありません。ぜひもっとやっていくべきと言う人のほうが多いです。

 

――今後、テレワークの効果を引き出すための取り組みがありましたらお聞かせください。

 

引き続きマネジメント層へ意識を変えるよう働きかけることと、セキュリティ面の強化です。システムについては今後、より強固なセキュリティ環境の実現が求められていますので、IT部門と今後の対応を検討中です。

​テレワークの普及拡大は、社員一人ひとりが自分の働き方を見直すきっかけになると思っています。ベネッセグループの中でもまだまだ働き方改革の途中です。テレワークの取り組みについてもっと情報を蓄積・発信していきたいと思っています。

 

●いずれはWeb会議が当たり前になるように

――御社は在宅であってもオフィスにいるときと同様に勤務できる環境をすでに整えていらっしゃいますが、Web会議などの実施状況はいかがですか?

 

現状は、『テレワーク@Home』でのWeb会議の利用頻度はまだ低いと考えています。スカイプなどを使ってWeb会議を頻繁に行っている方であれば、Web会議に対するストレスはあまり感じないと思いますが、私のように、対面での会議に慣れている場合は、やはりWeb会議に対するストレスは少なからずあり、積極的に利用しようという気持ちは少ないように思われます。

ただ現状、導入しているITツールを十分使い切れていない面もあります。全社的にOffice365を導入しているのですが、まだ使い切れていない機能があり、ITツールの活用がもっと進めば在宅勤務がいっそうやりやすくなるはずです。チャットを使ったり、プレゼンス機能を見てコミュニケーションをとったりといったこともまだ十分浸透していません。IT上の課題についてはどう解決していくか、IT部門と一緒に考えているところです。

――せっかく環境が整っているので、Web会議の利用がそのうち当たり前になると良いですね。

 

当社では会議を行うときに、まずは実際に顔を合わせての会議を考え、それができないならテレビ会議の利用を考えます。ただ、テレビ会議も利用できる場が限られ、予約ができないときもあります。Web会議は他に手段がない場合にやむをえず利用されているのが現状です。ですが、今後、会議のメンバーが自宅や別のオフィスからなど、さまざまな場所で仕事をしていることが当たり前になれば、必然的にWeb会議をしなければならなくなるはずです。

従来の「顔を合わせての会議文化」も変えていきたいと思っています。急ぎでミーティングを行いたいのにまず会議室やテレビ会議利用の可否を確認して日程を調整していくのは、思った以上に時間がかかります。そうして会議日程が先延ばしになってしまうこともありますので、もっとWeb会議がスムーズにできたらいいと思っています。

多摩オフィス内の社員用フリースペース「ココラボ」。自席ではなく、ここで仕事をすることもできる。ヘッドセットを着けてここでWeb会議に参加する人もいる。

厚生労働省

​テレワーク宣言応援事業

テレワーク宣言応援事業事務局 (株)テレワークマネジメント

お問合せ:テレワーク相談センター

0120-91-6479