株式会社荏原精密

​住所:横浜市港北区箕輪町2-19-6

業種:製造業

社員数:29名(2019年7月現在)

HP:https://ebaraseimitsu.co.jp/

令和元年度第1回取材記事
ライフイベントがあっても働き続けられるためのテレワーク

育児や介護といった事由があっても働き続けられる会社づくりの1つの方策として、今年度からテレワークを導入した(株)荏原精密。導入のきっかけや、これまでの準備に関してお話をうかがいました。また、初めて在宅勤務を行ったスタッフの方の声もご紹介します。

経営企画室 室長 野知 一洋さん

●働き方の選択肢を増やすため、今年度からテレワークを導入

――テレワーク導入のきっかけは何でしょうか?

3年ほど前からテレワークについて意識し始め、テレワーク関連のセミナーに行くなどして、少しずつ情報を集めていました。当社の代表取締役は、新しいことへのチャレンジを推奨しており、テレワークについても「まずはやってみよう」と積極的でした。

 

そして2019年4月に、女性スタッフの一人が2人目の子供の育児休業から復帰しました。また、現在のスタッフ平均年齢は45歳で、親の介護に直面するスタッフも出てきています。育児や介護などの事由があっても働き続けられる会社となるための1つの方策として、テレワーク導入を決めました。

――今年度からスタートするテレワークの概要をお聞かせ下さい。

育児中のスタッフ、介護対象となりうる家族がいるスタッフ、そして営業チームを対象に在宅勤務を実施します。なお、必要な機器の購入にあたっては、横浜市の助成金を利用しました。テレワーク用の機器としてノートパソコン3台と必要なソフトウエアを購入しています。在宅勤務時は自宅回線を利用してアクセスし、必要なデータは社内のサーバーへアクセスして参照します。

 

育児休業から復帰し、現在は時短勤務を行っているスタッフは、「家で子供の面倒を見ながらでは、とても仕事に集中できない」と、当初は在宅勤務に反対していました。ですが、保育園で他社のワーキングマザーたちと情報交換し、「ママ友」の中には在宅勤務をしている人もいたため、テレワークへの関心が高まったそうです。通常勤務と同様に子供を保育園に預け、仕事の場を会社から自宅に変えて行うならばできそうなので、ぜひやってみたいと気持ちの変化がありました。

 

介護予備軍といえるスタッフは、高齢で身体が弱ってきている親と同居しています。テレワークならば、自宅で親の様子を把握しながら仕事に取り組めます。

 

営業チームは現在4名で、その中には通勤に片道2時間近くかかっているスタッフがいます。遠方のお客様への訪問もあり、場所を選ばず働ければより業務効率性が上がり、お客様への対応も早くなるのではと思われました。見積もり作成など通常はオフィスで行っている業務を在宅勤務で行うことから始め、ゆくゆくはモバイル勤務も視野に入れていければと考えています。

――スタッフが長く働けるよう、働き方の選択肢としてテレワークを導入するのですね。

せっかく縁があって当社へ入社したのですから、長く働いてもらいたいという思いが第一です。育児や介護のために離職者を出したくはありません。テレワークですべてが解決できるわけではありませんが、働き方の選択肢を増やす意義はあります。

 

2019年11月から12月はじめにかけて、テレワーク導入の社内説明会を数回に分けて行いました。テレワークができない職種のスタッフもいますので、ライフイベントがあっても働き続けられる職場環境づくりのためのテレワーク導入であること、利用できないスタッフに対しては今後また別の制度も検討していきたいことなどを伝えました。

●変化を受け入れる柔軟な社風でテレワーク利用を「当たり前」に

――テレワーク時の労務管理はどのように行われますか?

当社はスタッフ人数が26名(2019年11月現在)と少なく、管理職と一般スタッフの距離が近いため、普段からスタッフの仕事の様子もよく把握できています。テレワーク勤務日に、始業時と終業時の連絡は行いますが、「何時から何時まで離席した」など、細かな報告を出すことを課してはいません。自由度の高いテレワークで、利用のハードルを下げたいと思っています。

――今年度末までのテレワーク活用・拡大予定をお聞かせください。

2019年12月から制度化したばかりのテレワークですが、現在の対象者が必要に応じて在宅勤務を行うことが当たり前にできる会社でありたいです。たとえば、テレワーク実施者が前日に、「明日はテレワークをします」と職場に報告し、テレワーク用のパソコンを自宅へ持って帰り、翌日は在宅勤務をしているような状態が実現することが目標です。

 

当社はこの10年間で柔軟で働きやすい環境づくりを多面的に行ってきました。グループウエアなど仕組みのIT化、男性スタッフへの育休支援、短時間正スタッフ制度、生活習慣病や女性特有疾病などの予防健診の全額会社負担など内容はさまざまです。今年度からは育児や介護事由による時差出勤制度も導入し、スタッフからは好評を得ています。

 

残業時間も大幅な削減に成功しています。スタッフ約30名の合計で一昨年度は年間5,142時間でしたが、昨年度は年間3,227時間に減り、今年度も減少傾向にあります。残業のグラフを掲示することで「見える化」し、負荷がどこに掛かっているか認識を全員で共有、IT推進による合理化、生産管理の強化など、いくつかの方策が成果につながりました。有休の消化率も90%程度と高くなっています。

 

このようにさまざまな改革を行ってきましたので、テレワーク導入についても柔軟に受け入れられると考えていますし、そうなるようにこれからも努力していきます。

■在宅勤務者へインタビュー

在宅勤務を初めて利用したスタッフの方へお話をうかがいました。

●通勤時間がなくなり、心身ともに余裕を持てた(清水さん)

IT推進事業室 清水 悠さん

2人の子供を保育園に預けて仕事をしています。制度導入前の試験運用で、2019年11月に初めて在宅勤務を行いました。通常勤務と同様、9時から16時30分までの勤務時間ですが、通勤時間がない分、保育園の送迎前後に余裕ができました。朝の家事をやり残すことなく終えられ、スッキリとした気分で仕事に向かえましたし、昼休みを利用してさらに家事を片付けることもできました。

 

在宅勤務時に行う仕事はあらかじめ上司と話して決めており、資料作成に集中して取り組みました。声をかけられたり電話に対応したりすることがないため、自分のペースで進められ、予定どおりに業務を終えられました。始業・終業はチャットで報告し、質問事項は電話やチャットで聞けるため、コミュニケーション面も問題ありませんでした。

 

仕事と育児の両立のために、テレワーク制度の導入はとてもありがたいと思っています。今後も月に2回程度利用していきたいと考えています。

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