株式会社ペンシル

​住所:福岡県福岡市中央区天神一丁目3-38 天神121ビル5階

​業種:情報通信業

社員数:133名

HP:http://www.pencil.co.jp/

第1回取材記事
離島のサテライトオフィス開設でより弾力的な働き方を

今年度、離島に新たなサテライトオフィスを開設したペンシル。社員の事情に合わせて働く場所のオプションを広げ、生産性向上を目指しています。東京オフィスでお話をうかがいました。

パフォーマンスマネイジメント部  (左から)安田智美さん、百瀬由佳さん

●離島のサテライトオフィスは島外社員にもメリットをもたらす

――御社のサテライトオフィス「ペンシル イノベーション セントラル(PIC)」についてお聞かせください。

 

PICでは就業時間や就業場所に制限がある人材を雇用し、当社のウェブコンサルティング業務のうち非属人的な支援業務を担当しています。具体的には、調査分析やレポート作成、システムテストなどを行っています。こうしたオペレーション業務をPICが担うことによる効率化で、より高品質なコンサルティングが提供できるようになります。

 

現在2拠点あり、最初に福岡市西区に開設した「PIC愛宕」は、2016年4月にオフィスを借りて開設しました。そこでためたノウハウも生かして、2017年10月に長崎県壱岐市に「PIC壱岐」を開設したばかりです。

PIC壱岐は、壱岐市と富士ゼロックスの官民協働で今年9月にオープンした「壱岐テレワークセンター」に入居しています。ここは、地方での仕事の創出や地域活性化を目的として企業や壱岐市民が利用できる施設です。

#PIC壱岐のプレスリリースより

――壱岐という離島にサテライトオフィスを開設した理由は何ですか?

 

壱岐は、人口の約35%が65歳以上で、日本の中でも高齢化が進んでいる地域のひとつです。この先、日本全体でも少子高齢化がどんどん進んでいくことを考えると、そのときに企業としてどのような仕事や雇用を創出していけるのか、そして、私たち自身もどのような働き方ができるのかを今から考えていきたいと思ったからです。また、壱岐の素晴らしい自然や食文化に魅了されたことも理由のひとつですね。

PIC壱岐では、これまでに主婦やシニアの方など4名を雇用しています。離島に新たな雇用を生み出していますが、ここは壱岐在住の方たちだけのものではありません。

福岡などと比べて壱岐は島内にコンビニも少なく、不便といえばそうかもしれませんが、新しいビジネスの発想は「不自由なことを解決しよう」というところから生まれると思っています。ここに身を置いてみたいという社員もいます。今後は福岡オフィスや東京オフィスに勤務する社員がPIC壱岐を利用して働くことなども積極的に行っていきたいと考えています。

――サテライトオフィスを開設してみて、課題と感じられたことはありますか?

前述したとおり、PICは今までコンサル担当が行っていたオペレーション業務を担っています。分業することで、コンサルタントがコンサル業務により時間をとれるようにすることが狙いですが、どの業務を切り出して依頼するかといった業務整理に時間がかかりました。

 

また、当社はエコ通勤を推奨しているためマイカー通勤は禁止しています。ですが、壱岐はマイカーでなければ通勤できないため、規程を変えました。今後、いろいろな拠点を開設していく上で、通勤手段なども留意していかなければなりません。

●「人に制度を合わせる」形でスタートした在宅勤務

――サテライトオフィス開設前からテレワークを実施されていますが、テレワーク導入の経緯をお聞かせください。

 

約10年前、出産した社員が子どもを保育園に預けられるようになるまで時間がかかり、その間、在宅勤務を認めたことからテレワークを明確に意識し始めました。社員が出産や家族の転勤といったライフステージの変化で通勤が困難になっても、働く場所についてオプションがあれば離職を防げます。

当社は社員の事情や意思に柔軟に対応してきています。この東京オフィスができたきっかけも、2002年に結婚で福岡オフィスに勤務していた社員が東京へ引っ越さなければならなくなったことでした。

大きな制度を作ってそれを社内に適用するというのではなく、社員一人ひとりの状況に合わせた制度をその都度作ってきました。これは、当社の社風と言えるかと思います。

 

――テレワークに対する社内のニーズはいかがですか?

 

最初の在宅勤務者以降は、しばらくテレワークの必要に迫られる従業員はいませんでした。ですが、ここ3年間ほどでキャリアを重ねた後に出産する社員が増えたり、介護をかかえる業務委託スタッフが出たりと変化があります。そうした従業員は在宅勤務規程のもと、テレワークを利用しています。

 

テレワークで働き続けることができるならば、会社にとっても従業員にとってもプラスになるというのが導入の目的です。

 

――在宅勤務を認める基準はありますか?

 

昨年まで明確な基準はなかったので、今年、新たに在宅勤務規程を整備しました。入社1年以上で、業務が在宅勤務対象業務として適正があり、勤務態度に問題がないなどといった要件を満たせば利用できます。

 

――テレワーク導入で困難なことはありましたか?

 

当社は国内拠点が福岡と東京と離れているので、普段からチャットやテレビ会議で頻繁にやり取りしています。部署のゼネラルマネージャーが東京オフィス勤務でも、メンバーは全員福岡にいるといったこともありました。ですので、テレワークをする従業員がいても、特に不都合はありませんでした。連絡先が別の拠点ではなくて、自宅に変わっただけという感じです。

東京オフィスの会議室。テレビ会議ができるシステムが整っている

●「働く場所が自分のデスクである必要はない」企業文化に基づくテレワーク

――現在、出産や介護でテレワークを利用している人たちは週何回くらい行っていますか?

 

出産後から今まで2年間ほどテレワークを利用している社員や、介護で同程度の期間テレワークを利用している業務委託スタッフは、ほぼずっと在宅勤務です。

当社では「子どもを預けられないとテレワークできない」といったことはなく、自宅にお子さんがいても在宅で終日作業をすることを認めています。もちろん、お子さんが病気で看病する必要があり、まったく仕事ができないという状況では休暇をとってもらっています。

産休から復帰している社員については、基本的には出勤し、状況によって在宅勤務を組み合わせています。子どもは急に調子をくずすこともあるので、たとえば、当日の朝に「今日は在宅勤務します」と連絡してテレワークすることもあります。そういった申請のタイミングは、きちんと職場への連絡ができているのであれば、個人にまかせています。

 

――在宅勤務中の時間管理はどうされていますか?

 

チャットで業務開始、終了の連絡をしてもらう以外は、厳密な時間管理は、現在は行っていません。ある程度の時間、離席をする際には連絡を入れて分かるようにしています。たとえば、朝、業務を始め、途中で子どもの授業参観のため数時間外出してまた戻ってきて業務を行うといった場合には、「私用外出3時間」といった報告をしてもらっています。

 

自分のミッションを果たしていれば、働き方についてはかなり自由が認められる社風だと思います。

 

――在宅以外での勤務も認めていますか?

 

当社は明確に仕事の場所を定めてはいません。絶対に自分のデスクで仕事をしなければならないといったこともありません。福岡オフィス内にはカフェや畳の部屋もあり、気分転換をしながらいろいろな場所で仕事ができるようになっています。

ちなみに社内カフェは、外のカフェに行って仕事をする社員がいて、それだとお金もかかってもったいないということになり、では社内に作ろうということで生まれました。

 

――離職防止以外に、ここまでの在宅勤務で感じている効果をお聞かせください。

 

通勤時間が削減されるのは大きいですね。都内の通勤では、往復で2~3時間かかる社員もいますが、その時間でたとえば授業参観に行くことができ、時間を有効に使えます。また、在宅勤務中は電話や来客応対がないので、仕事にとても集中できています。

そしてテレワークを行う人が出てくると、若い社員がそういう働き方もあると知り、「いずれ自分も結婚、出産したら利用してみたい」とロールモデルになっているようです。

今は出産、介護以外の利用者がいませんが、将来的にはそのような「やむをえず通勤できない」理由によらず、「今日はテレワーク、今日は出社」と個人の裁量で使えるようにできたらと思っています。

――テレワークの理解・活用について社内ではどんな推進活動を行っていますか?

 

テレワークについては普段の業務の中で伝えています。WEB社内報では、2年ほど前から、各拠点にいる人が社内の状況を把握できるようにしています。産休、育休で在宅勤務をしたスタッフからは、様子が分かるので非常に安心したと感想をもらいました。

――今年度は、テレワーク活用・拡大によりどの程度の成果を得ることを目標としていますか?

 

PIC壱岐は、今年度中に計5名の雇用を目指しています。また、オフィスは「壱岐テレワークセンター」から、国の補助金を利用して古民家を改造するオフィスへ移る予定です。

今後は、壱岐の特産品をネット販売するなど、壱岐だからこそできる仕事を作っていきたいです。壱岐は人口減少が激しく、大学がないので進学するなら島を離れなければなりませんが、そうして一度島を出た人がUターンするきっかけになったり、Iターンも生まれたりすればと思っています。離島創生に少しでも貢献したいですね。

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――テレワークの実施環境についてお話しください。

 

現在は、在宅勤務者が自宅で仕事をする際には、会社貸与のパソコンを自宅に持ち帰り、セキュリティ上問題ない範囲で自宅の回線からアクセスしています。貸与する機材やシステム面は、今後、テレワーク利用者が増えていくとともに、さらに検討しなければとは思っています。

厚生労働省

​テレワーク宣言応援事業

テレワーク宣言応援事業事務局 (株)テレワークマネジメント

お問合せ:テレワーク相談センター

0120-91-6479