株式会社ペンシル

​住所:福岡県福岡市中央区天神一丁目3-38 天神121ビル5階

​業種:情報通信業

社員数:133名

HP:http://www.pencil.co.jp/

第2回取材記事
遠隔雇用を実現するテレワーク

現在、離島を含む2カ所のサテライトオフィスで、就業時間や就業場所に制限がある人材を雇用しているペンシル。人材の遠隔雇用を考えている企業には、興味深い事例です。福岡本社へうかがって、お話をうかがいました。

(左から)PICゼネラルマネージャー 梅門啓二さん、代表取締役社長 倉橋美佳さん、パフォーマンスマネイジメント部ゼネラルマネージャー 安田智美さん

●PIC開設後1年で、全社の残業時間総数が2割減!

――御社のサテライトオフィス「ペンシル イノベーション セントラル(PIC)」は、現在、福岡市西区にある「PIC愛宕」と長崎県壱岐市にある「PIC壱岐」と2箇所ありますが、どういったきっかけでPICの開設を考え始めたのですか?

当社には社員とは別に、コンサルティングをサポートするパートタイムスタッフがいて、福岡本社で働いてきました。PICを開設したきっかけは、コンサルティングのサポート体制を発展させ、時間や環境に制限されない環境で、より高度な品質管理ができるようにしたいと思ったことです。

最初のPICは開設準備スタッフ2名が福岡市西区在住でしたので、彼らが通いやすい地域でオフィスを探し、結果、愛宕に置くことにしました。2カ所目のPICの場所は他県を含めて検討している中で、ある取引先から長崎県の離島である壱岐で進んでいた官民協働のテレワークプロジェクトについてお聞きしたのです。実際に壱岐を訪れたところ、福岡からの距離が近くて福岡本社から管理者が通えますし、環境も良さそうでしたので決定しました。視察したときに「結婚で壱岐に住むことになったパソコンスキルのある主婦」が一定数いることがわかり、雇用の見込みもありそうでした。

――PICのスタッフはどのように採用したのですか?

自社での募集、ハローワークでの告知、また紹介とさまざまな方法で採用しています。壱岐については市役所が協力して採用情報をPRしてくれました。現地の方にとっては、知らない会社であっても市が紹介しているなら、一度話を聞いてみようかという気持ちになるようです。

PICの雇用形態は、契約社員もいればパートタイムスタッフもいて、各自の状況に合わせています。

――PIC開設で会社が得たメリットは何でしょうか?

非属人的なオペレーション業務をPICが担うことによって、コンサルタントである社員が「考えること」に時間を費やすことができるようになりました。会社全体の残業時間は、PIC愛宕が開設してからまだ間がない2016年6月と、1年後の2017年6月とでは約2割減っています。思ったより早く成果が出ていると感じます。

PICでは業務エラーを防ぐ仕組みをシステムに組み込み、また、業務をマニュアル化して突然作業担当者が代わっても大丈夫なようにしています。リスクヘッジができて、より品質が高いサービスを提供できるようになりました。

●スキルがあるのに活かせなかった人材を雇用

――PICで働いている人からはどんな声が挙がっていますか?

もともと、フルタイム雇用以外でシステムに関連した仕事はほとんどなかったようですし、壱岐ではパソコンを使う仕事に就く機会自体少なかったようです。そのため、システム関連の仕事や、パソコンを使う仕事に関するスキルがあっても活かせず、未経験の接客業や事務仕事をしなければならないことも多いと聞いていました。ですので、PICの仕事について、スタッフはみんなやりがいを感じているようです。

――PICの運営についてお話しください。

ゼネラルマネージャーの梅門がどちらのPICも管理し、PIC壱岐へは週の前半、PIC愛宕には週に大体2日くらい訪問して業務の進捗確認や指示をしています。壱岐はスタートしたばかりなので、訪問に加え、週に5~6回程度のWeb会議を行って状況を把握しています。PIC愛宕には業務リーダーがおり、現在はある程度自主性に任せられるようになっているため、Web会議は少なくなりました。もちろん何かあればすぐにWeb会議を接続できる状態なので、どちらの拠点もしっかり状況を把握できる体制になっています。

PICで働く全てのスタッフは、梅門と3カ月に一度対面で面談を行っています。PICはコンサルタントの支援業務を行いますので、ペンシルという会社の仲間意識をもって働いてほしいという思いです。

PIC壱岐スタッフとのWeb会議風景

――今後、PICで働くスタッフに、在宅勤務などより柔軟な働き方を認めることもあるのでしょうか?

在宅勤務と異なり、PICで働くことは環境が整っていますが、働く方のライフイベントなど各自の状況を判断して、たとえば育児や介護などで一定期間在宅業務を希望するならば可能です。現状ではまだ具体的な事例はありませんが、もしスタッフから希望があれば相談の上、考えていきたいと思います。

●業務を切り出すことに慣れれば生産性が上がる

――PICに業務を依頼する社員側での業務の切り出しについてはいかがですか?

これまでの仕事のやり方を変えることに抵抗感があったり、いざやろうとするとペースが狂ってしまったりという声も多く、切り出すことには思ったより時間がかかりました。最初のうちはその点が大変でしたね。

社員に対しては、非属人的な業務は積極的にPICに任せるよう奨励しています。代表の倉橋や経営陣が各部署のマネージャーにまず伝え、部署内でマネージャーがメンバーに伝達をしています。それでも進みが遅い場合は、梅門がその部署に行き、どういった業務なら切り出せそうか提案をすることもあります。PICで受けている業務のサービス一覧を作って部署の全員へ配布もしました。

工数管理をしているので、どの部署からどういう業務の依頼がきているかはわかりますし、毎月集計して、そのデータを基に各部署へ声掛けをしています。業務を切り出してPICに任せている部署のほうが、残業時間が減っている傾向がありますので、切り出せる業務をもっと増やしたいと思っています。

――PICへの業務の依頼は実際どう行うのですか?

事業部ごとにPICとのチャットがあり、そこから梅門や各PIC宛てに依頼します。その際に業務内容、発生頻度、ボリューム、工数などの予想を書いてもらい、それらを基にPICでの担当者を決め、納品時期を確認して作業に入ります。

●シニア層の採用も積極的に

――ところで御社ではアクティブシニアの活用にも力を入れているそうですね。

これから高齢化社会になっていく中で、高齢者に向けたネットサービスがもっと出てきます。そういったときに、シニア層の生の意見やアイディアなど当社の知見が生かせるように「アクティブシニア」の積極採用を行っています。

現在は、福岡本社に1名、PIC壱岐に1名雇用しています。シニアが利用するECサイトや、シニアから見たWebサイトの課題点が抽出できないかと考えています。当社のコンサルティングの新たな武器にしていきたいですね。

ペンシル福岡本社

 

厚生労働省

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