株式会社リクルートオフィスサポート

​住所:東京都中央区勝どき3-13-1 FORE FRONTTOWERⅡ

​業種:オフィスサービス事業・情報関連事業

社員数:302名

HP:http://www.recruit-os.co.jp

第1回取材記事
障がい者雇用のエリアを広げるテレワーク 

今年度から、北海道・旭川市を中心に障がい者の在宅勤務での雇用を本格的に始めたリクルートオフィスサポート。障がいを持つテレワーカーが安心して働けるマネジメント体制を整えながら、採用実績を重ねています。

(左から)在宅雇用開発室 宮地俊介さん、経営企画室 榎本智幸さん、在宅雇用開発室 湊美和さん

●地方での実証実験を経て障がい者の在宅雇用をスタート

――今年4月から10月までの間に、20名以上の障がい者を在宅雇用されていますね。

 

4月に11名、7月に6名、そして10月に7名と、今年はこれまで3度の採用を行いました。昨年に採用した在宅勤務者を含めると、2017年10月現在で、計28名の在宅勤務者がさまざまな業務に従事しています。

――今年度、このように活発な採用活動を行うに至った経緯をお聞かせください。

 

数年前から、在宅勤務の形態で障がい者雇用を進めようという検討自体はしていました。しかし、当社が求める人材がなかなか見つからず、2015年に首都圏在住の障がい者2名を時給制の在宅勤務社員として雇用してからは足踏み状態でした。再び動き出したきっかけは、2016年に旭川市のテレワーク導入実証実験の参加企業となり、市内の障がい者を在宅勤務でトライアル雇用したことです。同年10月に5名を採用しました。

――採用選考はどのように行ったのですか?

第1回目の選考は面接とSPI試験です。しかし、在宅勤務で画面越しに対話する場合、コミュニケーションの癖や性格といったSPIの結果はあまり重要でないことがわかりました。最も大事だと痛感したのは、業務を行っていく上で必要なパソコンスキルがあるかどうかの確認でした。

 

実はパソコンスキルの低さが壁となって、5名のうち1名は採用後3カ月のトライアル期間後に雇用契約を終了しました。そこで、2回目の選考からは、面接とパソコンの実技試験を実施するようにしました。

●大切なのは「仕事内容を募集時に明記する」こと

――在宅雇用した障がい者の方たちにはどのような仕事を依頼しているのですか?

 

昨年10月に旭川で初めて採用した時点では、何の仕事をしてもらうか決まっていませんでした。当初はごく簡易な業務を考えていましたが、社会的価値レベルの低い作業では、モチベーションを維持するのが困難です。グループ会社の事業に貢献し、社会的価値のある仕事がないかと探していたところ、グループ企業から不動産情報サイトの内容確認業務の依頼がありました。

 

作業内容としてはそれほど難しくありませんが、サイトに掲載されている情報の価値を担保する重要な仕事です。取り組んでもらったところ、非常に良くやってくれました。依頼元のグループ企業の評価も高く、これを機に仕事の幅を徐々に広げていきました。

 

――そして今年4月の採用へとつながっていったのですね。今年度は採用においてどんなことに気を付けていますか?

 

1回目の採用で、募集時に仕事の内容を明示しないと、自分ができるかどうかの判断ができず、応募に踏み切れないということが分かりました。そこで4月以降の採用では、業務内容をあらかじめ話しました。

 

――最初の採用では不動産情報サイトの業務でしたが、今年度はどのような業務を依頼していますか?

 

4月に入社した11名の在宅勤務者には、旅行情報サイトに投稿される口コミ内容のチェックをしてもらいました。北海道ではよく知られたサイトなので仕事の印象が良かったようです。

 

3カ月間のトライアル期間後、1名は体調不良のため雇用を終了しました。この点はマネジメント側としても反省があります。観光シーズンに向けて仕事が増え、班長が1人で11名を細かくケアするのは難しい状況となってしまいました。このことをきっかけに、今後の採用では無理なくマネジメントができるよう、採用人数を調整しています。

 

次の採用となる7月入社の6名と、10月入社の7名には、求人情報サイトの原稿確認を行ってもらっています。現在、旭川を中心とした北海道在住の在宅勤務者は、不動産情報サイト、旅行情報サイト、そして求人情報サイトと業務別に3班に分かれています。

業務の関連サイト

――採用はずっと旭川で行ってきたのですか?

 

少しずつ募集エリアを広げています。7月採用では旭川だけでなく近隣の名寄・富良野まで対象にし、10月採用では旭川での活動で得たご縁から小樽・岩見沢でも採用選考会を行いました。

採用活動を始めたときは、身体障がい、特に下肢障がい者の応募が中心になると思っていましたが、実際は精神障がい者が多くなっています。7月入社までは身体障がい者と精神障がい者とをほぼ同数採用しましたが、10月採用では全員が精神障がい者という結果になりました。

精神障がい者は対人関係の構築やコミュニケーションが苦手な方が多く、集団の中で仕事を進める上では本来のパフォーマンスを発揮することが困難なケースが多いのですが、在宅勤務ではその問題が解消されます。管理者と1対1のコミュニケーションが中心になるため、本来持っているポテンシャルを発揮できるようです。

――ITスキルのほか、採用者選考で重視していることは何ですか?

 

本人が自身の体調や内面的な心理状態を言葉で表現できるかどうかです。心身の状態については毎朝日報に記入してもらうほか、画面を通して表情で判断したりはしていますが、やはり在宅勤務者が自分のことをきちんと伝えられるかどうかが重要です。

●会社の一員であるという自覚を持ち、長く働いてほしい

――これまでの取り組みの結果、課題と感じられたことは何ですか?

リクルートオフィスサポートの一員ということをいかに感じてもらえるかです。これまで、テレビ画面を通じてのリクルート本社「見学会」や、バーチャルとリアルを融合した懇親会イベント、疲れをいやす体操の同時中継などを実施しました。年1回の社員総会にも同時中継で参加してもらっています。

こうしたことを通して、北海道の自宅にいながら、リクルートオフィスサポートの一員であり、社会的に責任のある仕事をしていると意識づけるようにしています。そして、働いている者同士は東京にいようが旭川にいようが助け合うという企業風土を醸成することを非常に留意しています。

――在宅雇用の作業環境や労務管理などはどのように行っていますか?

会社支給のパソコンを貸与し、会社のVPNを利用してもらっています。労務管理はSkype for Business で行い、日ごろのコミュニケーションはチャットを活用しています。

 

管理者とは勤務時間中はいつでも連絡がとれますし、毎日朝夕はSkypeで顔を見ながらの全体会を行っています。距離こそ離れていても、実際は毎日会っている状態ですね。契約期間は、入社後3カ月は試用期間、以後は6カ月ごとの更新です。更新時期の前に管理職であるマネジャーがSkypeで面談し、継続の意思を確認しています。

――地方における障がい者の雇用で、感じたことをお聞かせください。

これまで旭川中心に北海道で採用活動をしてきましたが、微力ながらも社会課題の解決に一役かっていると感じることが多くあります。これは首都圏での採用では味わえない感覚です。

地方では企業が少ないため、やむなく工賃1~2万円の作業所で働いている障がい者が少なくありません。しかし、当社ではグループ会社の業務を通じて経済活動にかかわっていることを感じながら仕事ができ、月に十数万円の給与を得られます。年金と合わせれば、自立可能な生活レベルになるのです。

採用した在宅勤務者のみならず、ご家族も非常に喜んでいます。引っ越しして自立を検討する方も出てきています。タックスイーターがタックスペイヤーになることで、社会にも還元されます。また、旭川市にとっても人口流出の歯止めになり、市からも感謝されています。

在宅勤務者には、各自の歩幅に合わせて進化成長しながら、長く働いてほしいと思っています。

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厚生労働省

​テレワーク宣言応援事業

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