​住所:東京都渋谷区恵比寿4-20-1

業種:酒類の製造・販売

社員数:1,980名

HP:http://www.sapporobeer.jp/

サッポロビール株式会社
第1回取材記事
利用しやすいテレワーク制度が働き方を変える 

働き方改革を全社で進めているサッポロビール。今年度導入されたテレワーク制度は、基本的に回数の制限がなく、勤務場所の範囲も広い、自由度の高さが特徴です。

人事部 (左から)尾賀雄一郎さん、宮崎仁雄さん

●育児支援策から働き方改革推進策へ変える!

――2017年10月にテレワーク制度をスタートされたばかりですね。

 

2016年末ごろから働き方改革に取り組む中で、さまざまな施策を検討し、その中の1つがテレワークでした。2017年4月から試行しながら運用などについて検討し、10月から制度として導入しました。

対象者は勤続2年目以上で業務に支障がなく、所属長の許可を得た社員で、基本的に利用回数に制限はありません。テレワークする場所も自宅はもちろん、業務に集中できる場所であればカフェでの作業やモバイルワークも可能です。フレックス制度と組み合わせることや、事前申請制での残業も認めています。

――このようにフレキシブルな制度の導入に至った経緯をお聞かせください。

 

もともと在宅勤務制度は2013年から導入していました。ただ、利用場所は自宅のみ、回数は月4回までと制限があり、また1カ月前には書類を記入して申請しなければならず、利用後には必ず成果報告の提出義務があるなど、使いづらい制度でした。そのため、利用者は年間30名程度、そのほとんどが妊娠中や育児中の女性社員でした。対象者や利用理由を定めた在宅勤務制度ではなかったのですが、実情は育児支援策となっていたのです。

 

働き方改革については、2016年度末から労働組合と一緒のプロジェクトを立ち上げて進めました。育児や介護といった理由がなくても、全員がフレキシブルに働けて生産性が上がる制度を目指して見直しをしてきました。必ず会社に出てこないと仕事ができないという発想からいったん脱却し、自由度を上げて、それで効率が上がればいいのではという意向が経営層からもありました。

――2017年4月から行われたトライアルはどのような内容でしたか?

 

働き方改革で検討したのはテレワークだけでなく、スーパーフレックスや時間有給休暇など10種ほどの制度でした。それらの制度すべてを対象に、本社、地方営業所、工場など拠点別にそれぞれ1カ月間程度のトライアルを行いました。

 

トライアル対象者としたのは本社では複数部門で計200名程度、親会社のサッポロホールディングスで100名程度でした。また、出張型の働き方にマッチングするかどうかのテストとして地方の営業部署にも50名程度参加してもらいました。さらに、工場の管理業務メンバーにもテストしてもらっています。トライアル中の利用回数は月1回以上としました。

こうして半年以上にわたるトライアルを行った結果、テレワーク制度を含む10の施策を導入することになりました。テレワークについては、テレワーク勤務規程を作成し、利用申請は原則前日までに行えばよく、やむをえない場合は当日の申請も可能としています。申請についても定型のフォーマットがあるわけではなく、所属長にきちんと伝われば電話、メール、口頭のいずれでもかまわないので、かなり利用しやすくなったと思います。

●テレワーク導入で時間の使い方が大きく変わり始めている

―――実際にテレワークを利用した人たちからはどのような声が挙がっていますか?

 

スーパーフレックスや時間有給休暇制度と組み合わせて利用できるようになったことで、これまでより時間の使い方が広がって働きやすくなったという声が多く届いています。制度をスタートしてまだ間がないですが、トライアル中から週に2回以上など、かなり積極的に利用していた社員もいました。

 

営業担当者は、これまでもある程度のモバイルワークは行っていましたが、今回の制度導入によって、訪問と訪問の間にカフェで仕事をしたり、訪問先から自宅へ直帰したりして、時間を有効に使えるようになりました。内勤の社員では、特に通勤時間が長い場合に非常に身体が楽だと感じているようです。テレワークとスーパーフレックスを組み合わせれば、終日在宅勤務の場合、もし7時から仕事を始めたら15時くらいに終業することもでき、個人の時間をたっぷり持てます。

本社ビル内のラウンジ。ここでも仕事ができる

――そのほかに働き方の変化を感じることがあればお話しください。

 

単身赴任者からは特に制度導入について好意的な声が寄せられています。たとえば、週末の土・日曜日を家族のもとへ戻って過ごし、月曜日は自宅で仕事をして、単身赴任先には月曜日中に戻ってくるといった利用の仕方をする人が増えてきました。テレワークによって家族と過ごす時間を増やすことができています。

また、終日在宅で仕事をするとき、昼休みを長くとる人が増えてきているように思われます。たとえば朝7時から始業し、11時から14時まで休憩をとり、17時半に終業するという形ですね。早く出勤した分を昼休みの1時間に加えることで、ゆっくりと休憩したり、平日の日中でなければできない用事を済ませたりできます。

出社できないほどではないが、体調があまり良くない場合、大事をとって自宅でのテレワークにし、途中で抜けて通院するという使い方の事例も出てきているようです。

●個人の生活が充実し、生産性と業績が向上することが最終ゴール

――テレワーク制度導入にあたって不安は寄せられましたか?

制度導入前にとったアンケートでは、顔を合わせる時間が減って業務に支障が出るのではという声が多くありました。ですが、実際に行ってみると、コミュニケーション面でおおむね問題はありませんでした。連絡や会議はスカイプやスマートフォンを利用しています。

新入社員や若手社員の教育面で、コミュニケーションの機会が減ってしまうことについては工夫が必要と感じています。

――そのほか、課題として挙がったことはありましたか?

テレワークを利用する社員と、オフィスへ出勤してくるメンバーとの間の業務負荷の違いが生まれるのではという懸念はありました。実際、トライアルでテレワーク利用者のほうは業務に集中できたようですが、オフィスでは出勤者が少なくなった分、外部からかかってくる電話への対応業務が増えたということもありました。

 

ですが、そこは何らかの制度や規制を設けるのではなく、部署内で調整していってほしいと考えています。職場を回す上では、そういう協力体制がテレワークに限らず必要です。また、テレワークを必ず行うことが目的なのではなく、組織としてどう成果を出すかに主眼を置いて、体制を作っていってほしいと思っています。

――テレワーク導入で目指すゴールをお聞かせください。

テレワークを行うこと自体が目標ではありません。テレワークの活用・拡大で働き方改革を推進し、最終的に個人と組織の目標がより効率的に達成できれば良いと考えています。

今回の働き方改革では、「生産性向上」はもちろんなのですが、今まであまりフォーカスされてこなかった「生活の充実」と「心身の健康」の3つの目標をかかげています。

最終的には総労働時間を減らし、個人の生活を充実させ、目標も達成するということがゴールです。

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厚生労働省

​テレワーク宣言応援事業

テレワーク宣言応援事業事務局 (株)テレワークマネジメント

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