有限会社トップリバー

​住所:長野県北佐久郡御代田町御代田3986-1

業種:農業・林業

社員数:33名(2020年9月現在)

HP:https://www.topriver.jp/

令和2年度第1回取材記事
移動や情報伝達を飛躍的に効率化するテレワーク

長野県内に2カ所の農場を持ち、次世代を担う農業経営者を育成している(有)トップリバー。農業にどのようにテレワークを利用しているのか、これまでの取り組みや、導入による効果などについてお話をうかがいました。

専務取締役 嶋崎 田鶴子さん

●モバイル端末の活用で農場内のどこでも情報入力や確認が可能に

――テレワーク導入の経緯や、これまでの取り組みをお聞かせください。

10年前にセキュリティソフトを導入して以来、リモートで作業ができる環境を少しずつ整えていきました。社員各自にノートパソコンを支給し、3年前からはクラウドサービスを利用し始め、情報共有が非常にやりやすくなりました。

当社は長野県内の御代田町と富士見町に農場があります。販売データや注文データなどの情報を一元管理して、効率的に業務が行える体制づくりをしてきました。

御代田農場のレタス収穫風景

農林水産省の「スマート農業加速化実証プロジェクト」の実証農場として昨年度から開発してきたシステムを利用し、今年度からはモバイル端末での情報運用を開始しています。自社内だけでなく、独立している生産者の情報を共用できるようにと作ったシステムです。

――テレワーク導入による効率化を具体的にお話しください。

現在は農場内のどこでも情報入力や確認が可能です。たとえば畑でスマートフォンに入力した作業内容や進捗状況は、各自のスマートフォンはもちろん、集荷場のタブレット端末や事務所のパソコンで即座に確認でき、情報伝達にかかる時間が飛躍的に短くなりました。

スマートフォンで情報確認

現場側が畑の様子をスマートフォンで映せば、事務所側はその映像や画像を見ながら作業指示を出せ、生育情報なども提供できます。移動することなく、状況を把握できるようになりました。

また、以前は手入力していた入荷伝票は自動的にデータが作成され、社内のペーパーレス化が進んでいます。

単純計算になりますが、一人当たり1日20分の時間が削減できると考えれば、20分×26日(※)×6カ月=52時間(1日=8時間で6.5日)分の作業が圧縮できます。

※1カ月の平均出勤日数

――社内のシステムやツール、セキュリティ対策についてもう少しお聞かせください。

10年前に導入したセキュリティソフトは使い勝手や提供会社のサービスが良く、ウイルスや不正アクセスなどからネットワークが保護されてテレワークを安心して進められるため、今も継続して利用しています。

約30名の社員全員がノートパソコンを持ち、情報取得や文書作成などはすべてパソコンを使って行います。販売や栽培などに関する共有情報は社内サーバー上にありますので、業務に必要な情報をダウンロードして利用できます。

パソコンの社外持ち出しは、テレワーク申請と承認を経て可能になります。なお、個人のパソコンを業務に利用することは禁止しています。

スマートフォンは約半数の社員に支給しています。個人のスマートフォンのテレワーク利用は、通信料を会社負担とするアプリなどを入れて行っています。
 

――勤怠管理はどうしていますか?

2019年12月から、スマートフォンで出退勤入力ができるシステムを導入しました。位置情報も表示されますので、社外で打刻した場合、どこで打刻したかが分かります。

●農閑期にはオンライン講習会を開催予定

――これから農閑期となり、屋内での作業が増えますが、どのようにテレワークを進めていきますか?

今年は本格的にテレワークに取り組む初めての冬となります。これまでの在宅勤務は、役員や事務職員の5~6名のみが行ってきましたが、今後は全社員を対象に持ち出しを許可する予定です。

 

全社員がパソコンやモバイル端末に習熟しているわけではありませんので、操作指導を行っています。農閑期には自宅でも受講できるオンライン講習会も計画しており、ITリテラシーを上げていきたいと考えています。

――これまでの在宅勤務の実施状況はいかがですか?

在宅勤務ができる環境は整っていましたが、積極的に活用し始めたのは今年3月ごろからです。新型コロナウイルス感染拡大に伴う措置によるものでしたが、今まで自宅で仕事をすることに抵抗感があった事務職員も、実際に在宅勤務を行ったところ、自宅でも仕事が「できる」と実感したようです。

御代田・富士見の2拠点間でのWeb会議も増えています。今までは基本的にどちらかの農場へ集まって行っていましたが、コロナ禍の中、移動せずに会議を行う形が一気に進みました。特に問題なくコミュニケーションが取れています。

私自身が行う外部との会議も、今年4月以降はすべてオンラインとなりました。Web会議になってからのほうが、やり取りの回数が増えたケースもあります。会議の前にあらかじめメールで情報を共有しておけば、すぐに要件に入れて会議がコンパクトになりますね。
 

●仕事に対する考え方が変化し始めている

――テレワーク実施後、社内の働き方や考え方に変化が感じられますか?

仕事は出社して行うものという認識から、必要があればどこでもできるという考えに変わり始めてきました。

会議もオンライン参加という選択肢ができました。実際にWeb会議に参加すると、変化を感じ取れるようです。
 

――これまでの取り組みで課題と感じられたことはありますか?

社員全員の考え方が変わっていくには、時間がかかりそうです。たとえば、会議は実際に集まって行うものだという意識が強い人は、Web会議にまだ抵抗感を持っています。そういった人には、せっかく整っている環境を積極的に活用してみませんかと働きかけています。無理やりテレワークを行わせるということはしていません。

また、業務によっては、請求書や納品書など社内に保管している紙の文書を見ながら行う必要があります。紙の文書をどこまでデジタル化し、共有クラウドにアップするかが今後の課題です。
 

――今年度末までのテレワーク活用・拡大予定をお聞かせください。

全社員がテレワークを使いこなせるようになることです。自然な流れで働き方の選択肢を増やしていきたいです。

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